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ウスティカ島で過ごした最高の夏

まだまだ残暑が厳しいですね。昔は加山雄三に負けないくらい夏と太陽と海が大好きだったのですが(また歳がバレた)、日本の夏はいつからこんなに暑くなってしまったのでしょう。春は花粉症で引きこもり、梅雨時は濡れないように引きこもり、夏は熱中症を避けて引きこもり・・・もはや私には秋冬しか残されておりません。若干、蝉の気持ちがわかるような気がします。(勝手に儚げ)

パレルモからの船が到着するウスティカ島の玄関口

今から遡ること〇十年前、28歳の私はイタリアのミラノで学生生活を送っておりました。(そこに至るまでの経緯については、いつか書きます。多分)

当時、TUBEに負けないくらい夏と海と太陽が大好物だった私は、待ちに待った夏が到来すると居ても立っても居られず、大きなリュックにシュノーケリングマスクとフィンを詰め込み、物凄い鼻息でミラノを飛び出し、気付けば満面の笑みでシチリアの地に仁王立ちしておりました。

そして1人で放浪すること約2週間(途中省略、いつか書きます。多分)、辿り着いたパレルモの観光案内所のお姉様がお薦めしてくれたのは、そこから船で約1時間半、北へ行ったところにあるウスティカ(USTICA)という聞いたこともない小さな島。

バカンス客が去った9月の初め、人影もまばらな島のメインストリートで、自分の背丈ほどもあるリュックを背にキョロキョロしている東洋人は、今思うとかなり目立っていたと思われます。その様子を見ていたたまれなくなったのか、話しかけてくれた一人のおじいちゃんがおりました。

なんとも味わい深いヌッチョのおうち

「ど~こに行きたいんだ~?」

「え~と、コーヒー飲めるところを探しているのですが・・・」

「!おめ~バッカでね~の?目の前にバール(Bar)があるだろが~!」


それがその後、長年の親友となるヌッチョ(NUCCIO)との出会いでした。

それから約一週間、ヌッチョの友人である島のダイバーと海に潜ったり、これまたヌッチョと仲良しである村長さんの車に乗せてもらって島内観光をしたり。

おまけに毎日、昼と夜はヌッチョが手料理を振舞ってくれたのです。島で捕れた魚介のアクアパッツア、ナスとカッペリのトマトスパゲッティ・・etc。ホテルの主人に、「たまにはうちのレストランで食事してよ~」と言われたほど。ヌッチョ曰く、「うちには野良猫6匹がご飯食べにやって来んだから、お前1人くらい増えたっていっしょだよ」とのこと。確かに、猫たちもパスタを食べておりましたが・・・。


と・・ここまで書くとなんだか優雅な旅自慢に聞こえてしまいますが、実はかなりの貧乏旅行であり、島に辿り着くまでの2週間、缶詰で飢えを凌ぎながらシチリアを放浪していた私にとってそこはまるで、突如目の前に出現した・・夏の太陽を背に燦然と輝く・・竜宮城のようなところだったのです。

今思えば、ヌッチョは初めから私が貧乏旅行なのを察して、食べさせてくれていたのでしょうね。確かにどこからどうみても金持ちには見えない出で立ちでしたが(笑)

証拠写真見つかる‼

その後何年間にも渡り、あるときは兄弟を連れて、そして母を連れて、またあるときは友人と共に、幾度となく訪れたその島に、残念ながらヌッチョはもういません。それでも毎年夏が来ると思い出すところ、そして、世の中が通常に戻ったら真っ先に行きたいところ、emaru史上最高の夏が、遠い海の彼方、ウスティカ島にあります。

(この続きはまたいつか・・)